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2月8日 感話【松井先生】

2016.02.08更新

2月8日(月) 感話【松井先生】

 

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2月8日(月)の感話は松井先生でした。松井先生は大学時代に研究された行事食や郷土料理についてお話されました。
1月には正月、七草粥を食べる人日(じんじつ)の節句、鏡開き、小正月、2月は節分など、日本に古来より伝わる様々な行事が続いています。そしてこのような伝統行事の日に欠かせないのが、行事食です。行事食は地域により様々な違いがあり、その地域独特の郷土料理として根付いているものも数多くあります。
日本における伝統的な行事は、自然の恵みに感謝し、豊作や家族の健康を願うといった、温かい気持ちに基づいたものが中心であること。行事に欠かせない行事食は、たくさんの思いを込めた大切な食事として、先人たちが大切に作り上げ、地域そして家庭で大切に受け継がれてきたものであるということ。そして、食事を大切にすると、日々の暮らしが豊かになるということの意味を持っています。
時代の流れに従って、クリスマスやハロウィンなど、海外発祥の行事も定着しています。新しい行事の広がりに伴って楽しみが増える一方、これまで受け継いできた行事や文化が徐々に薄れつつあるという現状は、とても残念なことです。
日本古来の伝統料理と思うと難しく考えがちですが、全て伝統的なものでなければならないということはありません。それぞれの家庭で好みの料理を入れたり、味付けにすればいいのです。古いものと新しいものの、互いのよいところを尊重しながら、時代に合わせて形を変えながら共存していけばいいのではないでしょうか。行事食には家族の喜ぶ顔が見たいとか、家族みんなが1年間健康で過ごせるように、あるいは食べ物への感謝という優しい気持ちが込められています。これは時代が変わっても受け継いでいくべき日本の伝統ではないでしょうか。
時の流れがどんどん早くなり、全てのことにおいてスピードや便利さが求められる世の中で、少しだけ立ち止まって日々の暮らしを振り返り、ゆとりを持って生活する。そんな機会を与えてくれるのが行事であり、行事食であるのではないかなと思います。また、これから大人になる皆さんは、様々な文化を次の世代に伝えていくという役割を持つようになります。行事食とは決して堅苦しいものではなく、バレンタインなどと同じように日々の中に少しだけ変化をくれる楽しいイベントの一つと捉えてみるとどうでしょうか。今ある行事について知ると、さらに楽しみが増える。知らなければ、楽しまなければ損だと思うのです。
平成28年も始まったばかり。これからたくさんの行事が待っています。今年はいつもより少し、意識してみてはいかがでしょうか。

進徳を知ろう・見よう・体験しよう。