第1回仏教講座を行いました
2016.06.14更新
6月13日(月)第1回仏教講座が開かれ、延命寺住職徳永道隆様が「手を合わせること」についてお話くださいました。
仏教では作法として手を合わせることを教えていますが、本当は大きな意味があることです。
ある所にベテランの船乗りがいました。船乗りはある日、船から海に落ちてしまいました。最初はすぐに救助が来るかと思っていましたが、助けは現れません。手足をばたつかせ、どうにか浮かんでいようともがいているうちに体力が奪われ、おぼれてしまいそうになってきます。その時声なき声に諭され、船乗りは冷静さを取り戻すことができ、休みながら岸まで泳ぎ着くことができました。
仏様は私たちが助かる何かをしてくださるのではなく、今の状況を支えとして生きているのだと教えて下さります。慌ただしい毎日で目の前のことに心を悩ましているけれども、悩んでいても、苦しんでいても、支えがなければ一日も生きていくことはできません。今ある私がそのまま十分に生きていけると教えて下さるのが仏様です。
徳永道隆様は、県立病院の緩和ケア病棟にもお話をされに行かれています、そこはがん患者の人が残りの人生を穏やかに過ごせることのできる病棟です。そこで50代の男性とお会いになられました。その男性は、家族と別れる悲しみにくれておられました。けれども家族と別れるのは耐え難い苦しみだが支えてもらった人生があり今がある、そのことを喜ぶ1日1日にしていこう、愛されていることを支えとして残された時間を過ごしていこうと決意されました。
みなさんもこれからの人生でさまざまなことに出会うかもしれません。そんな時この学校に縁があったこと、手を合わせて頭を下げていたことを思い出してください。チャレンジしてどうにもならなくなった時、手を合わせ、大きなものに支えられていることを思い出してほしいと思います。