11月16日(金)元松操会会長 寺前さんよりお話を伺いました
2018.11.19更新
11月16日(金)6時間目礼拝時、昭和22年に進徳女子高等学校を卒業された、元松操会会長 寺前妙子さんより、後輩へのメッセージとして、お話を伺いました。
今の皆さんの姿を見て、何十年も前の若い頃を思い出しました。私は原爆により一瞬で友人も家族も失いました。幸いにも怪我はしましたが、皆さんの前に立つことができました。私の姿を見ても原爆の傷は分からないかもしれませんが、左目をガラスで失い、顔に傷を負ってしまいました。こんな姿では生きていたくないと思いながら生きてきました。その当時は友人も多く、顔に傷がつき、まさか戦争で命を失うとは思わずに生きていました。生き残った皆は学校はどうなったかと心配をしていましたが、学校も焼けていました。どうやって立ち上がってゆけばいいんだろうと思っていました。竹屋町の懐かしい校舎もなくなってしまい、地御前の校舎を借りながら、慣れない環境の中、そして何も物のない時代一生懸命勉強しました。戦争に勝つまではと国のためにと勉強しましたが、負けてしまいました。生き残った者は、亡くなった人を偲び、一生懸命頑張ってきました。何十年経って今、立派な校舎に恵まれている皆さん、私たちは勉強したくてもできなかった、自分たちは幸せな時代を生きていると感じてほしいと思います。昭和18年に入学した私たちは、立派な生徒として日本のために働こうと勉強をしていました。学校も立派になって本当に良かったですね、願わくば失われた級友たちも含め、今の皆さんを見られればどんなに良い事かと思いました。私たちの時代には出来なかった学生生活をしっかりと過ごし、二度とあのような悲しい事が起きないように、平和が続いて欲しい。皆さんの溌剌とした姿を見て、今は幸せだなと思いました。皆さん頑張って学んでください。